ジョリジョリと小気味良い音を上げて、サンジが剃刀を操っていたのはほんの数分。
「なんで、おっ勃ててんだよ」
微妙なところを触られ続け、潤んだ眼でガン見されて反応しないわけがないだろうに、そう言ったサンジは鈴口に舌を伸ばした。
「はっ・・・勃ってる方が、剃りやすい・・・」
上目遣いでおれを見て、そんなことを言いやがる。
「ホントにそのためか?」
足の先で、サンジのズボンの縫い目に沿って撫で、秘孔のあたりでぐりぐりと押す。
「うあ!ばか、刃物持ってんのに、危ねーだろ!」
「もういいだろ、置けよ」
極まった顔をしたサンジは、素直にカタンと剃刀を傍らに置くと、伸び上がって唇を求めてきた。
ここまで最初からとろけているサンジは珍しい。
必死に耐える姿を引きずり降ろすのも楽しいが、このレアな姿は堪らない。
早く早くと押し付けてくる腰のイチモツは先走りでトロトロと溢れ、谷間を伝わって孔までぐちょぐちょだ。
「このままでも入りそうだな。」
「むぃ・・・」
「ん?」
聞こえないフリで、おれ自身をあてがうとヌクヌクと先っちょを出し入れする。
「む!り!無理って、アッ!言ってっだろ!」
バンバンと肩を叩くサンジの乳首を可愛がり、弛緩したところを奥まで突き刺した。
「くぅっ・・・ひっで・・・」
きゅうきゅうと締め付けてくる内壁はさすがに苦しい。
サンジが、はぁっ、はぁっと深呼吸のように息を吐き、なんとか整えようとしているのを見下ろしながら、動かずに待っていた。
あの日は、サンジが積極的なのをいいことに無茶をしたが、実際のところ凄まじく良かった。
毛が無いから、密着感は半端なく、濡れた尻とぶつかるペチャペチャという音まで倒錯的でサンジの乱れようもすごかった。
なのに、翌日は敵襲がありそれどころではなかったおれ達は、翌々日である今日、仲間が寝静まるや否や格納庫に籠もったのだった。
待ちかねたように抱きついてきたサンジを立て続けにイかし、蕩けたところに挿入した途端様子が変わった。
最初は正直、そういうプレイかと思った。
だが、痛い、痛いと首を振り、涙を流す姿にそそられながら動きを止めると、担ぎ上げていた脚が肩に当てられ、吹っ飛ばされたのだった。
「クソコック、何しやがる!」
「こっちのセリフだ、エロマリモ!」
すり金でおろされてるみてーだったと、訴えるサンジをひっくり返すと白い尻は赤い擦り傷だらけになっていた。
「てめぇ、皮膚弱すぎだ・・・」
「おれは普通だ、藻類と一緒にすんじゃねー」
傷に舌を這わせたおれをやんわり退けるとモソモソとシャツに腕を通し始める。
「なに服着てんだよ」
「今日は無理だろ、もう のんねーしよ。」
待ってろよ、いいな、と言いおいて浴室に向かったおれの目の前で、女部屋の扉が開いた。
「剣士さん、剃った毛先は鋭いのよ。繰り返し剃っても同じこと。これで毛先をお焼きなさい。」
この魔女め!
何を知ってる、どこまで見てた等言いたい言葉は飲み込んで、言うべきことはひとつだけ。
「コックには言うなよ!!」
ロビンの手からマッチと線香をもぎ取ると、足音高く浴室に入った。
毛を焦がす異臭漂う浴室で、背中を丸めて屈みこむ世にも情けない剣士は明け方までそのままだったが、目にしたのがウソップだけだったのは互いのためにも不幸中の幸いだろう。
そして、いつまでも帰らない剣士を、日頃からオーバーワーク気味なコックさんが待っているはずも無く、少々の物足りなさの代わりに安眠を手にしたのだった。
fin