ラプンツェル〜夏〜 2

前略 ロビンちゃん

元気ですか?

アステカは寒いのでしょうか、暑いのでしょうか。

メシはうまいですか?

 

ゾロの部活は夏時間になって、朝練が6時から夜は8時までに延びました。

最近は弁当を3つ持っていきます。

それで朝も夜もちゃんと食うのに、体はどんどん締まっていくんだから、どんなにハードな練習なんだか、ちょっと心配です。

案の定、勉強はちょっとまずいらしく、こないだはうちに友達を連れてきたよ。

オレンジ髪の女の子が先生役だけど有料なんだって。おもしろいよね。

鼻の長い男は入学式でロビンちゃんも会ってるよね。面倒見が良さそうだから、この勉強会もセッティングしたのはあいつなんじゃないかな。

あと一人、ものすごくよく食べるチビは、何度か見に行ったけど結局ノートは一度も開いてなかったな。

翌日の追試は合格したそうで、また部活三昧に戻ったから、今度のテストは追試1教科じゃすまないかもって言ってるよ。

だったら勉強すればいいのに、必要になったらするって言うだけで、やる気は無いらしい。

来週は新人戦があるんだって、家に帰ってからもベランダで素振りしています。

おれも見に行けるらしいから、ビデオ撮って送るね、楽しみにしてて。

この新人戦で勝てたらご褒美にエッチしたいって言われてて、おれは

 

 (ダメだろ、これは)

 

辞書をひきひき書き綴っていた便箋をビリリと切り取る。

ああ、そうだ。免許のことを書こう。

ロビンちゃんに勧められて通いだした教習所は最後の路上に入ったんだ。

きっと喜んでくれる。

 

おれは、もう一度、新しい便箋にペンを走らせた。

 

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