MILKY TIME

《おちちの出がよくなる》そんなPOPのついた果実が屋台に山と積まれていた。要するに滋養に良いということだろう、そう考えた料理人は二つ三つ手にとると、店員に声をかけた。

料理人が振り返ると、不機嫌な顔を隠しもせず一人の男が近寄ってきた。

上背こそ料理人と変わらないものの、厚みのある体つきに三本もさした刀、素肌に羽織った黒いジャケットの間から見える大きな傷、そしてなぜか腹巻き。

どこをとってもカタギとは思えない。

屋台の男は通報しようか、その前に店を畳むかとタイヤのストッパーを外し始めた。

「なんだ~ マリモ。ふっきげんなツラしやがって。」

「それ買ったのか。」

「おう。」

「怪しいモン買いやがって。」

「なんだよ。美味そうだろ?」

「あれ?兄ちゃんたち、知り合いかい?」

「お?ああ、まあ。なんだ、おっちゃん、もう店じまいか?」

「あ、いや…その、いいんだ、もうちょっと続けるよ。」

上げたばかりのストッパーを再び降ろすのを見、サンジが合点する。

「ああ、ああ、大丈夫。こいつも素人さんに襲い掛かったりしねえよ。」

苦笑しながら話題に出されたゾロは不審な顔をしながらも、サンジが腕にぶら下げた荷物を無言で持ってやると、スタスタと歩き出した。

「こら!てめぇが先歩くなって毎回毎回言わせんじゃねぇよ!」

 

 

 

シャク…そのフルーツは非常に甘く、たっぷりの果汁を含んだ瑞々しい果実の歯触りも極上だった。

「これ、すっげぇ美味いぞ。出航前にまた買っておこう。」

差し出された果実を一口齧ったゾロは眉をしかめる。

「悪くねえが、酒には合わねえな。」

「こういうのはシャンパンとかがいいんだよ、てめぇの好みじゃねぇわなー。」

「わかってんなら、食わすな。」

「美味いもんは食わせてえじゃん。」

ぱくんと最後の一切れを口に入れたのを見計らって、ゾロはその唇を塞いだ。

「これならいつ食っても美味え。」

奪い取った果実を齧ると、鳥がヒナにするように、サンジの咥内へ流し込む。そのままむしゃぶりつくと、サンジの上顎に押し付けるようにわずかな果実を潰し、溢れる果汁を啜った。

 

「は…ゾロ…もう、すんの?」

「してえ。」

「まだ夕方だぞ。メシどうすんだよ。」

「してから食いに出ようぜ。ここキッチン無いんだろ。」

さっさとネクタイを解くゾロを止めはしないものの、浮かない顔のサンジの顎をつかんで正面から覗き込む。

「イヤかよ?」

「おれ昨日不寝番だったじゃん?やったら眠くなっちまいそう。」

「そしたら、なんかメシ買って来てやるから、心配すんな。」

「ぷっ、ばーか。てめぇ一人で買物に行かせるなんて、もーっと心配だ。いいぜ、来いよ。」

一転、ほころんだ顔でしがみ付いたサンジを抱えて、ベッドに横たえた。

 

 

 

一戦終えて、シャワーを浴びた2人は、連れだって夜の街へと繰り出した。

その島特有の果物まで満載の煮込み料理やスパイシーな焼き飯、あっさりとしたスープに舌鼓を打つ。

いつもなら、レシピや食材について質問するサンジが、食事の途中からそわそわと落ち着かない。マナーにうるさい男が何度となくトイレに立つ始末だ。

「どうした?具合悪ぃなら帰るか?」

さっさと店員を呼び、残ったものを詰めてもらうと、サンジの腕を掴んで抱えるように立ち上がった。

 

「ふぁぁぁ ッン!」

 

「え、わりぃ!」

突然上がった嬌声に驚いて謝罪し手を離すゾロと、同じく驚きに口を押えるサンジは、気まずい雰囲気のまま店を後にした。

部屋に戻るなり、サンジは浴室へ駆け込む。

身に覚えのあるゾロが気が気でない状態で待っていると、キィッとドアが開き、頬を染めたサンジがすっとゾロに寄り添った。

「ゾロ、たすけて…」

驚くゾロがサンジを覗き込むも、顔色はいい。むしろ赤い。

視線を逸らすように俯くと、無言でゾロの手を自身の胸元へ導いた。

「シャツ濡れてるぞ、どうしたんだ?」

「おっぱいが……出て…痛ぇよ、ゾロ…」

「……………は?」

ぽかーんと答えるゾロの顔はとてもとても魔獣とは思えないものだった。

だが、順応力の高さは素晴らしく、野生の勘のおもむくまま、サンジの衣服を剥ぎ取った。

 

常なら薄ピンクの乳首が真っ赤に起ちあがり、乳房と言うほどではないが胸元がふっくらと隆起している。そこに誘われるように手を伸ばし、やわやわと揉むと乳首の先からじわりと水分が滲みだした。

「ふぅっ、痛ぇ…」

「痛いのか?」

「うー、…張って痛ぇ…。」

「じゃ、出しゃいいんだな。」

「さっきっからやってっけど、それも痛ぇんだよ。」

どうやったら痛かったのか、と親切なんだかよくわからない誘導で自分の乳首を抓んだサンジはコリコリと揉んでそこを引っ張る。すると、ピューっとミルクが噴き出すのだった。

本人は必死の動作だったが、それは自慰のようにも見え、ゾロは昂ぶるのが抑えられない。

「…痛ぇ。」

「わかった、わかった。これならどうだ?」

更に大きく尖った乳首を口に含むと、ちゅーっと吸い上げる。途端口内に甘い香りが広がった。

「ふわ、あ…大丈夫…あ、飲むな、ばか。そんな得体のしれないもん。」

ごくんと嚥下するのを見咎めて言う。

「得体は知れてる。てめえの体液だろ。これより美味えぞ。」

つ、とサンジの股間に手をやるとそこは堅く張りつめている。

「こっちも張ってっぞ。痛ぇだろ。」

分厚い掌で包み込むとゆるゆると扱きあげた。

「すげえな、さっき足りなかったか?いつもより敏感になってるぜ。」

「んんん、言うな……あ、ゾロ、出る───…ああっ!」

あっと言う間に登りつめたサンジがきつく眉根を寄せ、反り返ったペニスから白いものを噴き上げたとき、胸からもじわじわとミルクが零れた。

「すげーな、上からも下からもミルクまみれだ。」

「うう…てめぇも出せ、舐めてやっから射精っちまえ。」

「おれは後ろの口がいい。すぐイケっだろ?」

「え、いきなりかよ?」

「さっき、ほぐしたから、ホラ。」

一見、固く閉ざしているような後孔に指を一本ねじ込むと、ナカは充分に解けていて待ちかねた、というように

ゾロの指を迎え入れた。

コリコリと前立腺を擦ってやると、出したばかりのペニスが力を取り戻す。あろうことか、すぐにトロトロと液体まで零し始めた。

「おまえ、イキすぎだ。もたねーぞ。」

「おれが保ってるうちにてめえが終わりゃいいじゃん。」

「ばーか、そりゃ、ムリだ。」

ウー と唸りはしても、どうせ無理だと思っての反論、最初から期待はしていないサンジは受け入れ準備に入った躰が知らせてくる快感に身を任せることとした。

乳首からは相変わらずミルクが零れている、それはゾロの口内であったり、胸を伝って脇や腹部に流れたりしているが、それをゾロの舌が追っていくから、どこもかしこも舐められてべちゃべちゃだ。

後ろの刺激で充分起ち上がったソコはほったらかしで、うずうずと腰が動いてしまう。

おずおずと手を伸ばし自身を掴むと、星が飛ぶような快感が襲い掛かり、両手で作った筒を猛スピードで上下し始めた。

「こら、イこうとしてんじゃねーよ。」

「やだ、イク。イキたい。」



その根元をキュッとゾロが掴む。

「………っ!!!!」

「挿れるまで、まて!」

「はや、く!はやく、ちょーだい!ゾロォッ」

ズンと奥に衝撃を感じたと同時に封印を解かれたペニスから熱が解き放たれた。

「ああああああああああ、あ、はぁ、ん……キモチイイ…」

とぷんとぷんと溢れるソレはもうほとんど透明で、ぺしゃんとなった嚢が精子を作るのも間に合わないのだ、と告げている。

とろんとした表情、零れる涙は歓喜のモノで、ゾロから余裕を失わせる。

「動くぞ」

「や、待て…あ、あ、あああ、まだイッてるのにぃぃぃ!」

蠕動する肉壁に絡みながら出入りする、大きな熱塊。入る時もいいが、出るときの気持ちよさは例えようもなく、サンジは躰が宙に浮き上がるような錯覚を覚えるのだった。

グッと躰を引き寄せ、律儀にも揉み続けていた乳首に舌を這わせてヂュッと吸い上げると、ゾロも最奥で熱を放つ。

「ああああああああああ!また………イク……」

ゾロがすべてを放ち、サンジの後孔からプチュブチュと音をたてながら零れ落ちても、サンジの放出は止まらなかった。既に精液とは思えない、さらさらとした液体がそれでも出続けるのだった。

 

fin?