プルプルプル プルプルプル
夜も更けたサニー号のキッチンに電伝虫のコール音が響く。
ガチャ
電伝虫が左目を瞑り、それを縦に横切る刀傷が現れた。
「どうした?こんな時間に。
なにか急変したか!?」
通話相手の電伝虫には顔半分を覆う金髪が現れていることだろう。
「いや、そうじゃねえ。てめえ一人か?」
「ああ。」
「そうだろうと思ったぜ。どうせ明日はメシ作る時間もろくに取れねえとか言ってご馳走作ってナミにへつらってんだろ。」
あまりの図星にポリポリと鼻の頭を掻く。
「うるせーな、妬いてんじゃねえよ。」
「体力を温存しろってんだよ、バカが!おれもルフィもこっちなんだぞ。四皇に喧嘩売ろうってのに主力はてめぇ一人なんだ、わかってんのか。」
思いがけない言葉の連続にサンジはタジタジと圧倒され、傍らのイスにストンと腰掛けた。
「お、おう。」
「ナミやガキが足手纏いたぁ言わねえが、てめぇは必要以上に守ろうとすっだろ、ったく。」
「わかってねえなぁ。おれぁレディを守るときが一番強いぜ?」
「ふん、どうだかな。せめて早く寝ろってんだ。」
(こんなこと言われて一人寝なんて……)
はぁっとサンジが熱い息を吐く。
「血がたぎって寝れねーよ。なぁ、寝かして?」
「あ?」
「おんなじとこ、触ろうぜ。なぁ…ゾロ…」
艶を帯びた声音に、ゾロはゴクリと唾を飲み込む。
「ゾロ、なぁ…触って。」
「シャツのボタンを開けろ。」
プツン、プツンとすべてのボタンを外す。
顔が紅潮していくのを感じながら、ゾロの手元の電伝虫も赤面してるんだろうか、と頭をよぎった。
「できたな。胸、触ってみろ。もう尖ってんだろ。」
袷から差し入れた指に固く立ち上がった乳首が触れる。
「どうなんだ?」
「ん…」
「ちっこいのに精一杯固くなってて、クルだろ?ほら、摘んでみろ。」
「んぁっ…」
ゾロの言うままに、二本の指で摘み、転がし、爪を立てる。
「舐めてやりてーけどな……ああ、電伝虫をそこに当てろ。」
「え?」
「ほら。」
「それはなんかなー……う、はぁ!」
渋々近づけた電伝虫が胸を這い、ヌルリと乳首に絡まる。
「くくくっ…良かったんだろ?」
「くそ、てめぇもちんこ触れよ!」
「おお、てめえの声でガチガチだぜ。」
互いに聞こえるジッパーの音、衣擦れの気配。
「てめぇのは…カリが張ってて、ん…そこで擦られっとゾクゾクすんだ…」
んっんっと吐息混じりに、ゾロのそれを思い浮かべるサンジの恍惚とした表情まで、電伝虫は忠実に伝える。
「コック、指舐めろ。……もっとだ、おれのはそんな細くねーぞ。」
浅く腰掛け、背もたれに上体をすべて預ける。
電伝虫は肌蹴けた裸身を這い回り、ぬらぬらとした軌跡が光る。
片手の指を深くくわえた口は苦しいだろうに、うっとりと一心に唾液を絡め続け、指示などなくても二本から三本に増えた。
雄芯からもう片方の手が離れることは無く、絶え間なく透明の液体が滴っている。
グチュグチュと聞こえる音は上からか、下からか、受話器の向こうからか、サンジには判断つかない。
「あふ……ロ、ロ…イひ、れぇ…」
「イキてえか?」
うんうんと首肯する。
「入れてやる。テーブルに伏せて、ケツ上げろ。」
サンジはゆらりと立ち上がると、片膝をイスの座面に乗せ、上半身をぺたりとテーブルに倒した。
「ロロ…」
指をくわえたままで発音できないながらも、籠もる期待は相手に伝わりゾロの喉が鳴る。同時に聞こえるシュッシュッと速い擦過音に水音が混じっている。
「手はたっぷり濡れてるか?ゆっくり尻たぶを開いてみろ。」
「っつ……ん…」
「もう挿れてんのか?」
「わりぃ…か…」
「いや?イイとこ突いてやっから腰振れ。」
「んっ!あ、あぁっん!」
水音と艶声だけが電伝虫を行き交う暫しの時間。
艶めかしい姿態は再現されないが、たやすく脳裏に浮かべられる。
「あぁっ、ゾロ、もうっ……」
「くっ、おれも、だ。」
荒い息の末、熱がはじけた。
急速に室内の温度が下がる。
手を拭い、身仕舞いを正すと沈黙が気まずい。
「くっそ。抱きてぇ…」
苦しげなゾロの声に心臓が掴まれる。
「…悪くはなかったんだけどな……」
「足りねえ。」
「ああ…さっさとケリつけてしけこもうぜ。」
「言ったな?一晩中ハメっぱなしにしてやる。」
「そいつぁ、明日からのてめぇの活躍次第だな。」
今宵は、離れがたい想いと添い寝して。
fin
13/12/9発売のWJネタです。
ちょっと久々にかっこいいサンジを描いてくれてて、本当にうれしいですね。
けど、またしばらく遠距離恋愛なのかーと。
じゃ、やるっきゃないよね、というわけで。