道標 二年後

突然の再会を果たし、ろくな会話も無いままモーテルへともつれ込んだ。

隙間を埋めるように、何度も求めあい、久々の逢瀬がもたらす痛みまで、再会の喜びに変わった。

 

ゾロの上で達したサンジを下から見上げる。

髭も濃くなり、男臭くなったというのに、艶めかしい男。

元々なよなよしているわけではなかったが、更にがっしりと、一際肩が分厚くなった。

腹の上から両脇に伸びた内股を撫でる。

「んぁっ!」

一段と逞しくなった筋肉。なのに、感じやすいのはどういうわけか。

 潤んだ瞳が近づいてくる。

 

少し伸びた緑の髪をくしゃくしゃとかき混ぜる。頭を抱え込むように額に接吻ける。

形の良い眉に、閉ざされた右目に、薄い唇が落とされる。

「あん時、やっときゃ良かった。」

右目の上を走る傷痕を撫でながら呟く。

「斬れって言ってんのにおふざけで逃げたのはてめぇだろうが。」

「だから、後悔してんだろ。」

左目の瞼にキスをして、開いた瞳にも舌を這わす。

「い゛っ」

「へへっ、コラーゲン~」

「食うなよ。」

「ん~。こっちの目おれに寄越せよ。」

「そりゃ、やれねぇなぁ。」

「どうせ、見えなくても気配で戦えんだろ。けちなこと言ってんじゃねぇ。」

「戦いには困んなくても、これが見えないのは惜しいだろうが。」

「これ?」

入ったままの股間を押し上げる。

「っ!」

ゾロの顔の脇で突っ張っていた手から力が抜け、痙攣しながら倒れこむ。

「これ」

「て、め・・・、復活、早すぎっだろ。も少し・・休ませろ。」

「休憩してる暇はない!」

「アホ!無いわけあるか!」

じたばたと上に逃げようとするサンジの腰を捉まえたゾロは、はぁ、やれやれ、といった顔を作ってかぶりを振る。

「船戻んだろ?その前に二年分すんだから忙しいぞ?」

「てめぇ・・・二年経ってもバカは直らなかったんだなぁ。」

うるせーだのクソだのと口汚く罵りながら、ぎゅうぎゅうともつれあい、上下が入れ替わった。

 

サンジの顔の脇に手をついて瞳を覗き込む。

途端、ゾロを包んでる蕾がねっとりと蠕動する。

「なぁ、知ってっか?目が合うとよ。てめぇん中ぐねるんだぜ?」

「な、知らなっ!」

「見れなくなったら困るだろ?」

カッと赤くなる頬を両手で包み、唇を奪うと入口がきゅうと絞まった。

「んっ・・・・ハぁっ」 

 



キスに溺れるサンジがとてつもなく可愛く見えて、不思議に思う。

だって髭面。前髪の分け目変えたらますますダーツじゃねぇか。

細い顔立ちはますますシャープになっていて、苦労したんだな、と愛しくなる。

そこまで考えて、苦笑を漏らす。

「何だよ?」

顔を顰めるサンジに再び接吻ける。

考えたって仕方ない。

どう思考順を変えようが、惚れてるんだ。かわいいし、愛しい。

そんなの2年前から変わんねぇし、これからも変わるわけがない。

不思議でもなんでもないじゃないか。

 

「もう動けよ。」

何度か達した割に強気なサンジの声で引き戻される。

余韻を引き摺っていない声なのは、外からの刺激でしか達してないからだ。

 

ゆっくりと引き出し、入口付近で捏ねるように動かす。

ぬぷーっとまた奥まで入れて、最奥でこんこんと突っついてみる。

この男が感じる動きはどんなんだったか思い出しながら、色々試す。

どうしたってそれなりに反応するからわかりにくいんだ、逆に。

はふはふ、と息継ぎをするように口をパクパクしながら、サンジの手がゾロの腕を掴む。

 

「な、に。そんなんじゃ、てめぇイケねー、だろが・・・」

「てめぇ、好きじゃねぇ?こういう焦れってーの。」

喋りながらも、じっとりと動くゾロに、サンジの肢体がぴくぴくと跳ねる。

「ん・・・ふっ、好き。」

「中で達けそうか?」

「あ、え?ん・・・わかんね。でっ、も、もう!イキてぇ。」

諦めてサンジの前を扱きだす。

同時に抽挿のスピードを上げる。

 

「あ、あ!ゾロ!キス!」

強請るままに被さると、サンジの舌がゾロの咥内を蹂躙する。

「っ!!!!!」

「つっ!!」

最後の瞬間、サンジの歯がゾロの唇を噛み切った。

 

「はぁっ!あ・・・わり。」

「は。目ん玉よかいいぜ。」

「え~!こんなん明日には治っちまうじゃねぇか、ずりぃ!」

「それよか、てめぇ中でイケなくなっちまったなぁ。」

「あぁ?ま、仕方ねぇんじゃね?間開いたしよ。」

「くそ」

「あのよ。おれらが出会って旅した時間より、長いこと離れてたんだぜ?おれ、今日入った方が驚いたけど?」

「まぁ、そうか。」

今抜いたばかりのそこを覆うように撫でる。

「こら、もう無理。触るな。」

「いや、労わってんだ。」

「いらん。」

「これからな。ちゃんと開発してやっからな?」

「いや、それもいらん。」

「てめぇ!」

「ぶははは。じゃ、程々に。」

「おれの傷よか、よっぽど軌跡って感じしねぇ?」

 

そんな軌跡はイヤだぁ~ と歎じるサンジの頭上で、ご休憩タイム終了を告げるコール音が響いたのだった。

 

fin


最中に、よく喋るなぁ