サンジの脚がガクガクと震え、両手はシンクの縁を握り締める。
凭れかかっている強靭な体躯はサンジが跳ねてもビクともしない。
目の前の白い首から赤い筋が流れる。
さっきゾロが犬歯を立てたところだ。
ペロリと舐めると切ない吐息が聞こえ、ヂュと吸い上げると赤く染まった顔から長い悲鳴が上がった。
シンクから離れた片手がゾロの肩口を引っ張る。
「もう・・・・」
眉根を寄せた辛そうな顔が背後を振り仰ぐ。潤んだ瞳、吸われすぎて赤く腫れた唇、ひげに絡んだ唾液までゾロを煽る。
「脚、上げられっか?」
膝を胸につくほど折り曲げられ、入り口にゾロの熱を感じると、それだけで電流が走る。
先走りは溢れ過ぎて足元に水溜まりを作っていた。
背はほとんど変わらないが、サンジの腰の方が高いところにあるから、位置を合わせるまでもなく、ピタリと重なる。こうなるために生まれた一対のように。
すっかり迎える準備が整ったそこは、侵入してきた異物も絡みついて奥へと促す。
「ゾ・・・、もう、立って、らんね・・・」
息も絶え絶えに懇願するサンジの腰に回した腕に力を入れる。
「てめぇ、たまんねーだろ、が!」
ぐいっと抱え上げると、下から突き上げた。
「あ----っ!」
膝裏と腰、繋がった局所だけを支えとして、完全に宙に浮いているサンジは、それでも恐怖感が欠片も訪れないことに苦笑する。
「どうした?」
「んっ、ゾロ。すげー、好き。」
はっはっと短く息を整えながら、放った言葉に、今度はゾロが赤面した。
「これ以上、煽るな!」
「ひぁっ・・・・ン!」
これ以上ないほど深々と突き刺さったゾロに、腸壁を押し広げられる快感が駆け巡る。内臓を押し上げられような不快感だって確かにあるのに、脳が認識するのは悦楽だけだ。
「ゾロ、イイ!キモチイイ!」
「ああ、おれもイイ。」
耳元でしゃべられると、最高点と思った快楽をまた軽々と上回る気持ち良さが躰を支配し、ゾロをくわえ込んだそこが勝手に動いてしまう。
うねうねと絡みつき、ねっとり包み込んだかと思うと、キュッと締まる。
「くっ、う、・・・イクぞ。」
「ああ!神聖なキッチンにこんなシミ作りやがって!」
「そりゃ、てめぇのだろ。おれのはてめぇん中だ。」
「でも!おれ一人だったら、こんなことになんねーんだから、てめぇのせいだろ!」
「んぁ?そうか?」
「そうだ!だから、てめぇが掃除しろよ!」
「あー、もう一回やったらな。」
「え!またココかよ?」
「掃除場所を増やすな。」
「んー、まぁ、いいけどよ。前向きてーよ。」
「駅弁?」
「立つこたねーだろっ!アホ!」
fin