混み合った市場の隙間を縫うように、サンジが進む。
先ほどから、撫でるような感触を腕に、腰に、尻に感じている。
ぎゅうぎゅうと押し合いへし合いのような狭い市場で起きる偶然の接触に、気色ばむのも大人げない。
人込みをかき分けるように、小走りで進む。
突然道が広くなり、ほっとサンジが息をついた。
「おやじ、このパニーニ、二つくれ。」
「あいよ!兄ちゃん旅の人かい?」
「ああ、ここの市場はすげーな。」
「ははは、スリも多いから気ぃつけなよー!」
そのとき、
サンジの麻のスーツの一部分が、強く指で押された。
「!!!あっ!」
秘所に押し入った指はそのままパンツの縫い目を撫でるように上がり……離れた。
「どうした、兄ちゃん」
「あ、いや、そっちの…チーズのも追加、してくれ」
臀部を撫でる手は偶然じゃない、もう疑いようがない。
買い物を手早く済ませ、足早に市場を抜ける。
借上げたコテージの鍵を胸ポケットから出したとき、その手を手袋をした手に囚われた。
鍵を摘まんだ手ごと包まれ、強制的にドアを開けさせられる。
口を覆う掌に噛みついても、手袋ごしでは痛みを与えられない。
背中を押されるように室内に入った。
ぴったり背中に張り付く男の体温が緊迫感を煽り、振り向こうとした瞬間に壁に押さえつけられる。
両足の間に片足が滑り込まれ、その膝は器用に股間を刺激する。
「ふっ、ぅん……」
腕を突っ張り、身を捩るサンジを男は軽々と固定し、ねっとりと唇を舐めた。塞がれた口から吐息が漏れる。ぬめる舌が咥内を蹂躙し、唾液を注がれる。
「……ぁ……」
眼を覆われ、荷物のように肩に担がれたサンジはドサッとベッドに放り投げられる。
半端に脱がされた上着が両腕を拘束し、中に着ていた肌触りの良いカットソーがビリィッと音を立てて裂けた。
覆い被さった男の手が、うっすらと汗ばむサンジの胸を這い、首に唇が押し当てられたまま、ジッと動きを止める。
「ゾロ?どした?」
「……」
「おい」
「こんなんイヤだ」
「へ?」
「普通がいい。普通は飽きたかよ……」
サンジはごそごそと、両腕に絡まる上着を抜き、その手で緑の髪をぽんぽんと撫でる。
「あー、別にマンネリとか思ってねーよ?おまえが喜ぶかなーって思っただけじゃん。痴漢ごっこ」
「……嬉しかねーよ」
「ん。ごめんな?ちゃんとしよ?」
改めて唇を近づけ、触れ合う寸前にゾロが囁いた。
「目隠しはそのままでいい」
「をい!!!」
fin
遅刻ですが、桜芽ちゃんのお誕生日プレゼントに書きました。強姦ごっことかね、割と定番かと思いますが受けがノリノリで、攻めが引いてたらおもしろいかなーと思ったのwwwをとめなゾロも最近ツボですwww
しかし、誕生日プレゼント向きじゃないよなー なんか、こう、もっとほのぼのした優しいお話とかを捧げたいものですな。