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はぁっ 2

「何、ムスッとしてんだよ。怒るほどのこっちゃねーだろ?」

「てめぇは誰にやられたんだ。」

「ロビンちゃん。おれが最初でよ~、ウソップにやったわけ。

 んでウソップがチョッパーとルフィにやって、ルフィがナミさん。

 チョッパーはてめぇを狙ってたのに、近づくと振り向くって泣きついて来たぞ。」

 

「チョロチョロしてっから休憩しそびれた。」

 

「ははっ。だから昼寝無しか!

 そうこうする内にチョッパーの口の形じゃできねーなってわかって、

 んじゃ、誰がマリモにやるかって揉めてよー」

 

「なんで」

 

「鼻もゴムも誰かにやってるからズルいって。

 んで、おれ。」

ふーん

「何、他のヤツが良かったのかよ。」

 

「あ?」

思いがけない質問に間抜けな声を上げてしまった。

 

「なんでまだ しわ寄せてやがる。」

眉間をグリグリ指先で押してくる。

「みんなで黙ってたのが、そんなにムカついたかよ。」

 

それもおもしろくはねーが、どうでもいい。

それより、てめぇの前後がムカつくんだ。

なんでわかんねーかな、このバカは。

だいたい、ウソップと肩組んだりしてんのだって、おれぁイヤなんだ。

なんて、当然言う気はなく、返事をせずに酒を口に運ぶ。

 

と、コップをコックに取り上げられる。

顎を掴まれ、おれの首をかくんと上向かせると、真上からコックが近付いてきた。

ねっとりと唇を舐め、歯列を割って舌を絡めてくるコックを薄目を開けて見ていると、

至近距離で焦点はあわないものの、閉じられた目の縁が赤く染まっていくのが分かる。

 

「は・・・ぁっ・・」

 

息を吐きながらコックが口を離すが、顔の位置はほとんど変えず、額同士をくっつける。

「なぁ、みんなの前でくっついたのがイヤだったか?」

 

コックの腰を掴み、自分の膝の上に引きずり降ろす。

「ばか、ちげーよ。」

「じゃぁ、何だよ?」

「別に」

「てめぇの不機嫌は慣れてっけどよ、理由がわかんねーのはイヤなもんだぜ。」

「いいじゃねぇか、別におまえに怒ってるわけじゃねーよ。」

 

コックの目が不安げに揺れる。

こいつはいつもそうだ。

普段は不遜なほど自信満々な男なのに、おれらの関係に限って自信を無くす。

嫉妬したって一言言ってやれば、喜色を浮かべるんだろうが・・・。

言いたか無ぇしな。

 

言い淀むコックの後頭部を掴み口づけたら、ぴくんと浮き上がる腰を押さえつける。

頭に添えていた手を滑らし背骨をたどる。

「あっ」

コックが背を反らすから口が離れた。

朱に染まった顔で睨みながら喚く。

「てめぇの!それでごまかせると思ってっとこがムカつくんだよ!」

 

先にキスで機嫌を取ろうとしたやつが勝手なことを言う。

「お互い様だろ。なぁ、しようぜ。」

まだ夜は長い。

fin


アホ話のはずがサンジくんが落ち込んじゃった。ふしぎだ。

これ、うちで流行ったんです。夏。

ものすごい熱く感じるから、お子ちゃま大はしゃぎ。お試しあれ。