「はぁ……」
グチグチと自分の下肢から淫らな音がする。
膝立ちになっているサンジが跨いでいる男の頭は、ちょうど胸の前にある。サンジは、聞こえてくれるな、とその頭を抱き寄せ、耳を塞いだ。
だが、その音を立てているのもその男であり、サンジ本人よりも、後孔のほぐれ具合いを体感していた。
「ぞろ、もう、やだ……、もう、それ、やめろ……」
「なにがイヤだ、そんな甘ったるい声出しといて」
カァッとサンジの頬が朱に染まり、イヤイヤするように首を振りながらゾロの頭頂部にしがみついて顔を埋めようとするのを、ゾロの片手が捕えた。
ゾロが首を伸ばし、サンジの唇を唇で塞ぐ。
歯列をなぞり、強く舌を吸うだけで、ぽやんと瞳に霧がかかる。
「寝てる格好で弄られるのイヤだったんだろ?おれからケツ見えなくなってるんだから、これ以上は譲れないぞ」
「だって、あんな……脚広げて、丸見えだったじゃん!やだよ、バカ、変態」
ムッと口を尖らせたゾロが、止めていた手淫を激しく再開する。
「ひぁっ! やぁ、あ、……っん、あ ――…ぁ」
「だーれがヘンタイだ。ケツで感じまくってる自分はどうなんだ、よっと」
前立腺をゴリゴリと容赦なくひっかいたゾロが、指を曲げたままチュポン!と引き抜くと、ブシュッとサンジの前が弾けた。
「あはああああ!」
ガクガクと身体を震わせ、突然の激しい愛撫に、抵抗する間もなく射精させられたサンジは二度三度と胴震いして、ゾロに倒れ込む。
想いを確かめ合ってからというもの、何度も何度も、こうやって繋がろうとしているのだが、ゾロの規格外の大きさと、サンジの鍛えられた下半身の副産物、規格外の括約筋の筋力が災いして、いまだに成功していなかった。
挑戦する度にサンジの感度ばかりが上がり、いまでは乳首だけでイケるほどになってしまったというのに、処女なのだ。
未開拓というには、開拓され過ぎているようではあるが……。
『もう挿れちゃえよ』
恥ずかしさに負けたサンジがそう口にすると、はち切れそうになっているゾロも負けて挑んでしまう。結果、カリが通るか否かという辺りで、きつすぎる締め付けによる食いちぎられそうな痛みで撤退を余儀なくされるのである。
自分だけが痛いなら構わないのに、そんなの我慢してでもひとつになりたいのに……サンジはそう思う。
だが、ゾロも痛いと肝心なモノが力を失うので、どうしようもない。
もう挿れて、サンジがいくらそう言っても、今日こそはほぐれきるまで挿れない、ゾロは強く心に誓っていた。そうしてほどこす愛撫により、サンジは既に数回の射精を果たしている。
恋人の痴態を間近に見続けながら一度もイッてないゾロも辛いが、イキ続けているサンジも辛い。その疲労が半端ない分、全身から力は抜け、蕾もふわりと綻んだ。
両手の指を二本づつ入れて広げると、くぱぁっとソコが開いた。
スーッと胎内に空気が流れ、グッタリしていたサンジがブルッと肩をすくませた。
そこに、一転して火のように熱い塊が宛がわれる。
「そろそろ、イイか?」
「やっと、かよ。待ちかねたぜ」
不敵に笑いながら、碧眼に恐怖が過るのをゾロは見逃さない。
ちゅっと瞳の端に口付け、宥めるようにキスの雨を頬と額に降らす。
「ゆっくりするからな。力ぬいとけ」
「ん……」
努力の甲斐あって、サンジの秘庭はゾロの砲身をやすやすと呑みこんでいく。
「あ、あぁ、すげ、はい、ってくる……ゾロ、はいって、る」
「ああ、すっげえ――おまえん中、熱ぃ」
「ん、てめえ、も!あつぅ……ふぁ、あん―――」
もう指を添えるまでもなく、ゾロの熱塊自身が、サンジの皮膚がピンと張るほどソコを大きく拡げていた。
サンジはゾロの胸に縋るように、ピタリとくっつき、二人の両手が互いの背中を強く抱き締めるから、寸分の隙間もないほどに二人重なっていた。だが、それを超えて繋がるときが目の前にある。
「これで、全部、だ」
苦しげなゾロの声にサンジが目を開ける。
「は、はは。すげぇ、な」
「ああ、すげえ」
とうとう……サンジの瞳からポロリと涙が零れた。
自分の鼓動と違うスピードで脈打つモノが胎内にあるのだ。どんなにきつく抱き締めあっても、ゾロの熱さなど届かない深い場所に、今熱を直接感じる。身体の中から広がって、自分に透過していくようだった。
間近なゾロの瞳が獣のようにギラついている。
食われそうだ、食われてもいい、そう思った。
「なあ、おれを食えよ……」
「ああ、貪り食ってやる」
奥へ打ち付けるようにガツガツと打ち込まれて、息が詰まるかと思えば、甘い声が止まらなくなるほど優しく穿たれる。肉壁の全てを味わうかのように掻き回されれば、ビリビリと電流が走り、サンジの全てが霧散してしまうかのような錯覚に見舞われる。
永遠とも一瞬とも思えるようなひと時のフィナーレは、熱い熱いゾロの精を胎内に受け留めることだった。
あまりの熱さにサンジは絶叫し、自分でも気付かないまま熱を放った。射精した直後に内壁からペニスを抜かれると、たまらなく気持ち良いことも知った。
「は………」
上がる息を交換するように、どちらからともなく唇が重なっていく。
「大丈夫か?」
「ったりめえだ」
一言交わす度に、再び相手の口を啄み、鼻を擦り合わせる。
「おれんこと、あげられて良かった」
ふふっと小さく笑うサンジに、ゾロは心臓が掴まれたような気がした。
「すげえ良かった。てめえん中、グネグネ動いて、絡みつい」
パッと赤面したサンジが、両手でゾロの口を塞ぐ。
「バカ!言わなくていい!」
ゾロはその手を握り、ちゅっと口付た。
「ありがとな、がんばってくれて」
「……がんばったの、てめえだろ……おれも、気持良かったぜ、サンキュ」
耳まで赤く染めて、恥じらうように俯く膝の上のサンジに、ゾロはグンとムスコが力を取り戻すのを感じた。
はじめての結合と長い愛撫にグッタリしているサンジにもう一回と言うのは酷だろうか、しかし、このままで終わるのは自分が酷だ、ゾロが悶々と葛藤し始めたとき、サンジがプッと噴き出した。
「なに遠慮してんだよ。なあ、もっかい、しよ?」
最愛の君の誕生日には、極上のプレゼントを……。
fin
2015.11.11 pixivにUPした同タイトル作のちょこっと改訂バージョンです。
pixivではR18作品が見られない、という訪問者様も多いうちのサイトなので、同日にUPしようと思ってたんですが、遅くなりましてすみません。