チキショー せっかくキッチンに居たのに、水を飲み損ねた。
あぁ、昨日は完全に飲み過ぎた。
まだ胸がムカムカする。
酔っ払って裸になるなんて、とんだ醜態だ。
起こし方に問題はあるが、コックに感謝だな。
ナミに見られたら、汚ねぇもん見せたとか言って、また金取られるとこだ。
あいつの寄越した濡れタオルもほかほかして、汗ばんだ肌に気持ち良い。
しかし、変な夢を見たもんだ。
白い肩、白い脚に伝う白い液体。
薄暗い中、ふんわりと微笑んだコックはとてつもなく綺麗で・・・ブンブンと頭を振る。
ありえねー。
そもそも おれに笑いかけること自体無ぇだろう。
いつだって、憎々しい顔しか見せねーじゃないか。
さっきまで他のヤツらと笑ってても、おれの方に振り向いた途端、ムカつく顔をしやがるんだ。
そんなことを考えながらの二度寝だったからか、またあの夢を見た。
いや、もっとひどい。
おれは全裸のコックを舐め回していた。
少ししょっぱい汗の味がとてつもなく美味く感じて、夢中で愛撫する。
その度に白い肢体がびくびくといやらしくくねって、長い腕がおれに縋りつく。
『コック』
おれが囁くと、涙を湛えた碧い瞳がぼんやりと開いておれをとらえる。
『ゾロ、ゾロ・・・』
感極まった声でおれを呼ぶ。
チクショー。
寝らんねー。
とんだ安眠妨害だ。
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