何かの始まり おまけ2-サンジ

部屋の灯りもついたまま押し倒され、キスを交わす。

頭の芯から、痺れるようにじわーっと快感が身体中に広がる。

熱くて、暑くて、早く脱ぎたいのに、ゾロの手がまだ襟元を彷徨っているからじれったい。

そうか、ネクタイなんておまえ、しねぇもんな。

ネクタイとシャツの間に指を入れ、緩んだ部分を引っ張らせる。

開いたシャツの隙間から乳首を抓まれ、身体が跳ねる。

咄嗟に手で覆おうとするが、思い止まる。

 

全部見ろ。

羞恥も快感も全部。

不慣れな身体を見せるから、慣れてるなんて思うな。

愛してる、愛してる、愛してる。言わないけれど、伝われ。ゾロ。

 

 

ゾロの暴走を諌めながら、身体の中がジンジンと熱くなるのがわかっていた。

仕切り直しとばかりに、立膝で見下ろしているゾロの唇に伸び上がって食らいつく。

動いたらぞわっと中からこみ上げてくる悪寒。ダメだ。なんだ、これ。ホントに何塗りやがった?

「ゾロ、ちょっと、待ってて。風呂入ってくる。」

「はぁっ?」

「おまえが、変なの塗るからだろっ!」

ゾロが怪訝な顔をしてくるのが、ムカつく。てめぇのせいじゃねぇか!

流したい、と訴えたとき、不意に指がそこに触れた。

「あ!ちょ、入れんな。触んなって!」

ズブズブと入ってくる指がひどく熱い。

内壁が発火したように熱く、痒い。

痒いところにあたる指がもどかしい。

「やだ、痒い。それ取れよ。」

痒いと一度認識してしまったら、堪らない。

かいて、かいて、とうわ言が口から出るのも、ゾロの指にこすり付けるように動く腰も

嫌だと思いながら止められない。

立て膝になっている腿から力が抜けて、へたり込みそうになり、

ゾロの首に回している腕に力を込めてしがみつく。

腰同士が近くなって、互いに先走りで濡れたモノがヒタリとくっついた。

 

うわぁ!

 

敏感なウラ筋同士が擦れて、逝きそうに気持ちイイ。

ゾロもそうなんだろう、引こうとした腰に手を回されグイッと更に近づく。

中の指は多分増えてる。一番痒いとこも、その周りも一遍に掻かれてる。

それでも足りなくて、上下に動くと、固い腹筋とゾロの間で前も擦れる。

遠くで悲鳴が聞こえる、と思ったら、自分の口から出ていて驚くが、止め方がわからない。

 

「あああぁっ!」

 

熱い液体が飛び出した。

すげぇ、出てるのに、まだ硬い。

あー、女の子としてるときにこれだったら良かったかも・・・

後ろからゾロが指を抜こうとしているのを感じる。

やだ、まだ、痒いのに!

抜くなって言ってんのに、抜かれて睨むと、充血した眼で睨み返される。なんだよ。

「挿れていいか。」

だから、中掻いてって言ってんだろ!

うんうんと頷くと、また身体をひっくり返されそうになって、慌てて首にしがみつく。

「後ろの方が楽らしいぞ?」

やだ。シーツしか見えないじゃねーか。

首を横に振ると、少し逡巡して横たえられる。

 

至極マジメな顔をしたゾロと目が合う。

なんだ?

額をすっと撫でて、目元にキスをされる。

「大丈夫だから。」

え?おれ、そんな不安そうな顔してた?

ってか、おまえ、そんな気遣いできんの!?

悔しい。不覚にも、ときめいちまったじゃねーか。

 

顔が離れて、神妙な表情で脚を開かれる。

ひっくりかえったカエルだな。

今更、後ろが良いとは言えないし。

女の子のご開帳とは違うもんな。

みっともねー姿。

じろじろ見るなよ。どうすんだよ、そんなん見て萎えたら。

「見るな、萎えるぞ。」

ムカ!心配してやってんのに、吹き出しやがった。

「萎えるか、アホ。いくぞ。」

 

熱い塊が押し当てられる。

 

メキメキッと骨ごと引き裂かれるような衝撃。

 

「ぐ、ぅっ」

歯を食いしばり、痛みに耐える。喉から変な音が出る。

ゾロが顎を掴んでくる。

「息、しろ。深呼吸。」

 

口を無理やり開かれるが、喉が締まって空気が通らない。

と、ゾロが屈んできて、息を吹き込まれた。

強制的に吸わされた息が肺に届いて、押し出される。

 

その呼吸に合わせ、ズルンと灼熱の塊が進んできて、先ほど猛烈に痒かったところを掠める。

そこを擦って欲しくて腰を揺らした。

「うあっ!」

ゾロが呻いたと同時に中に何かがじんわり広がる。

「クソ!ちっと出ちまったじゃねーか。」

 

ははっ、かっこわりぃの。

が、残念ながら、おれも揶揄う余裕はない。

 

「だから!動くなって。」

「だって!痒い!掻けよ!掻けって!」

「まだ、ぜん、ぶ、入って、ね!」

「早く、しろ!ボケ!」

「てめぇが、邪魔してん、だっ!」

声とともに最奥に衝撃を感じて、クラクラする。

 

ゴリゴリと中を擦られて達した。中も締まったらしく、ゾロも道連れだ。

ゾロの精液が中に広がったら、痒みは治まった。

もう、純粋に気持ちいい。

広がりっぱなしの入口の皮膚はヒリヒリ痛いのに、それを上回る快感。

もう、聞くまでもねぇや、催淫剤だろ、これ。

こんなに何度も元気になる愛息は初対面だぜ。

ゾロは憧れの抜かずの三発か、される側になるとは思わなかった。

人生色々あるもんだなー。

初体験は相手に忘れられ、二度目はクスリ使用、散々だよな。

あぁ、普通のセックスがしてぇ・・・

 

もう声も出ない。

喉が乾いた。

眠い。

揺するなよ、疲れた。

なんで、こいつこんなに絶倫なんだ?

催淫剤塗れんとこに突っ込んでっから、こいつにも効いてんのか。

 

半分眠りながら考えたそれは間違いで、これがこいつの常態だとわかるのは数日後のことだった。

 

→Side Zoro(R18)